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会社側の安全配慮義務違反が認められた事例

事例1

概要

宿直勤務中の従業員が、盗賊に殺害された事故につき、会社に盗賊防止のための物的設備を施す措置や、人員を増員する等の措置を講じなかったことを内容とする安全配慮義務違反による損害賠償責任があるとされた事例(最高裁昭和59年4月10日判決)

裁判要旨

会社が、夜間においても、その社屋に高価な反物、毛皮等を多数開放的に陳列保管していながら、右社屋の夜間の出入口にのぞき窓やインターホンを設けていないため、宿直員においてくぐり戸を開けてみなければ来訪者が誰であるかを確かめることが困難であり、そのため来訪者が無理に押し入ることができる状態となり、これを利用して盗賊が侵入し宿直員に危害を加えることのあるのを予見しえたにもかかわらず、のぞき窓、インターホン、防犯チェーン等の盗賊防止のための物的設備を施さず、また、宿直員を新入社員一人としないで適宜増員するなどの措置を講じなかったなど判示のような事実関係がある場合において、一人で宿直を命ぜられた新入社員がその勤務中にくぐり戸から押し入った盗賊に殺害されたときは、会社は、右事故につき、安全配慮義務に違背したものとして損害賠償責任を負うものというべきである。

事例2

概要

自動車部品の製造を行う会社(Y)の工場で、自動車の座席の部品であるパイプの加工に従事していた中国国籍の研修生(X)が、右手示指を機械に挟まれ、切断するに至った事故につき、会社(Y)に、安全装置を取り付ける等の必要な措置や、作業手順や注意事項及び事故発生時における対応等について、中国語で記載した書面の交付又は中国語で説明の上でその内容・意味を正確に理解していることを確認する等の措置を講じなかったことを内容とする安全配慮義務違反による損害賠償責任があるとされた事例(名古屋地裁平成25年2月7日判決)

裁判要旨

本件機械は、労働安全衛生規則147条の射出成形機等に該当すると認められる。そして、上記認定の本件機械を用いたパイプの加工作業の内容によれば、本件機械は労働者の身体の一部をはさむおそれのあるものであると認められるから、Yは、労働安全衛生規則147条1項に従い両手操作式あるいは感応式の安全装置を取り付ける等の必要な措置を講じる義務があったというべきである(同規定は、研修生が作業従事者である場合にも準用するのが相当である。)。
 
また、上記認定のとおり、Cは、Xが本件機械を使って作業を開始する前に実際に作業を行って作業手順を教えた上、Xに実際に作業を行わせ、教えた通りに作業を行っていることを確認している。しかし、Xは中国人であり、日本語をほとんど理解できず、また、研修生として来日した者であることを考慮すると、作業手順や注意事項及び事故発生時における対応等について、中国語で記載した書面を交付するか、中国語で説明した上、その内容・意味を正確に理解していることを確認するのでなければ、安全教育としては不十分であって、安全配慮義務を尽くしているとはいえないというべきである。
 
したがって、Yには、安全配慮義務違反があったと認められ、上記認定の本件事故の発生原因を考慮すると、Yの安全配慮義務違反と本件事故との間には相当因果関係があると認められる。
 

事例3

概要

医師でありA大学の大学院生であった亡Bが自動車を運転中に交通事故を起こして死亡したことにつき、亡Bの両親(X)が、事故の原因は、亡BがYの設置するA大病院において演習名目で過重な勤務に従事させられ過労状態で自動車を運転することを余儀なくされたことにあり、Yは安全配慮義務違反又は不法行為に基づく損害賠償責任を負うと主張して、Yに対し、損害賠償の支払を求めた。裁判所は、Yに、亡Bの指導官を通じて、亡Bが極度の過労状態に陥ることを予見し、亡BのA大病院や外部病院における業務の軽減を図るなどの適切な措置を講じなかったことによる安全配慮義務違反があったとし、損害賠償責任があるとした(鳥取地裁平成21年10月16日判決)。

裁判要旨

上記のような分量、性質の業務を継続して行った場合、亡Bが、いずれ極度の疲労状態に陥り、心身に異常を来したり、又は過労状態や極度の睡眠不足が原因で本件事故を発生させたりすることが起こり得ることは、業務に従事させていたYにおいて、十分予測することが可能であったということができる。そうすると、Yは、亡Bの指導官を通じて、亡Bが極度の過労状態に陥ることを予見し、亡BのA大病院や外部病院における業務の軽減を図るなどの適切な措置を講じるなどにより、亡Bが極度の疲労状態、睡眠不足に陥ることを回避すべきことを具体的な安全配慮義務として負っていたというべきである。しかるに、Yは、上記適切な措置を講じることなく漫然と放置し、亡Bを相当の長期間にわたり継続して過重な業務に従事させ、とりわけ本件事故の直前1週間には極度の睡眠不足を招来するような態様で業務に従事させて、亡Bを過労状態に陥らせ、さらに本件事故の前日である3月7日から8日にかけては、緊急手術及び学会の研究会の開催による人手不足という事情があったにせよ、▲▲病院でのアルバイト当直が予定されていた亡Bを徹夜の手術に従事させたものであって、Yには上記安全配慮義務に対する違反があったと認められる。